マンガを実写化した映画DVDを徹底レビュー。

記念すべき第一回目のFavorite DVDは、マンガを実写化した映画DVDをレビューさせて頂くことにしました。
当たり外れが多いと言われるジャンルであるがゆえに、鑑賞中のテンションにいささかの不安を覚えずにはいられませんが、この怖いものみたさ的な好奇心こそが、マンガを実写化した映画の何よりもの魅力なのかもしれません。
映画の都ハリウッドを生んだアメリカ人に負けないぐらいのフロンティア精神で、計3本の作品の再生スイッチを押していきたいと思います。
※当カテゴリーには少々のネタバレを含んでおります。
デスノート「名前を隠すことに焦点をあてた作品」
『デスノート』は、『週刊少年ジャンプ』で連載されていた『DEATH NOTE』という作品を原作とした映画です。
名前を書かれた人間は死ぬという死神のノート(デスノート)を巡り、ノートを使って凶悪犯を殺し続ける夜神 月(ヤガミ ライト)と、それを追う世界的な名探偵L(エル)の二人が、あれやこれやと知能戦を繰り広げます。
これは、これまでマンガを実写化した(若しくはしてしまった)数々映画の中では、かなりイケル作品でした。
小説にしてもマンガにしても原作がある映画というのは、概して原作を知っている人間にとって、つまらないものになりがちですが、この作品に関して言えば、原作を読んだことがある人間でも、十分に楽しめるレベルになっていると思います。
連載という大きな縛りのあるマンガでは描ききれなかった、映画としての新しい主張を、ところどころに感じることができましたから。
ただ、逆に原作を読んだことがない人には、わかりにくいところがあるかも知れません。
この作品のメインアイテムとして出てくるノートには、使用する上でのルールみたいなものが定められているのですが、そのルールがちょっと多すぎるのです。
サッカーや野球みたいに、一般に広く知られているものであれば、少々複雑でも問題はないと思うのですが、この『デスノート』の場合は、あくまで作者の側が作ったルールで、初めて見る人間には、細かいところが覚えていられないというのがあります。
マンガや小説なら、ページを戻して振り返ることができますが、映画の場合はそういうわけにもいきません。私自身は原作をすでに読んでから見たので、さほど問題はありませんでしたが、その点は、少し不親切な気がしました。
でも、そこ以外の面では、そんなに文句を言うところはありません。
夜神月が捜査の手から免れるために使う小技みたいなものが、少し貧乏臭かったのもリアルで良かったし、夜神月がLに勝つために一番重要なのが、夜神月がLの本名を知れるかどうかだという、ほんのり香るバカバカしさも良かった。
この映画はほぼ全編を通して、『凶悪犯罪者に対する法律によらない死の制裁の是非』というテーマで進んでいくのですが、それと並行して『Lが名前を隠すのに必死で、夜神月はその名前を知るのに必死』という設定でも話が進んでいきます。
映画としては相当重大なテーマを扱っている話のはずなのに、この設定だけがヤケにみみっちいんです。
でも、そこが逆に良かった。
もしも、このデスノートの効用が『ノートに名前を書かれた人間は、ノートの持ち主に惚れる』であった場合、おそらくこの映画は、「通学電車~気になるアイツの名前が知りたい~」という多感な高校男児の恋物語と化してしまっていたことでしょう。
その場合、映画として伝えたいテーマのレベルは『これって自由恋愛?』というところまで、下がってしまうことになります。
そういうチーズを抜いてしまえばチーズバーガーじゃなくなるみたいな、当然と言えば当然とも言える危うさの面でも、この映画は楽しめました。
特に後編は、それにプラスアルファして、ハラハラ、ドキドキもさせてくれるので、マンガ原作ではない普通の映画としても、かなり面白い方の部類に入る映画DVDだと思います。
『名前を隠す』ということについて、これほどまでに焦点を当てた作品はたぶん他にはないでしょう。名前を覚えるのが苦手な方にとっては、少しばかり耳の痛いお話でもあるかもしれません。















