私だって少しは真面目な人間であるんだよ。

だから、この部分はプライベートでのことで改善点に気がつくのではなく、もっと別なことで気がついて欲しかったというのはあります。こんな仕事人間振りでは、この主人公の子供が何年か後にグレてしまう気して心配です。
もしかすると、反抗期に入って、毎日プラプラしているのを咎められた時なんかには、「俺はどうせ工場の機械だから、油塗ってんだよ!」みたいなことを、言うようになるかもしれません。
正しくは、「油を売っている」ですけど、私のこの過ちと同様、それに気がついた時には、もう取り返しのつかないことになっているのです。
あと、これは海外の作家さんということで、仕方ないことかもしれないんですが、登場人物のキャラクター分けに、多少とっつきにくさを感じました。
「あれ、こいつ誰だったっけ?」というのが何度もありましたから。
他の海外作家の小説では、結構平気なのに、何故だか、この『ザ・ゴール』だけが駄目なんです。それが不思議でした。
うーん、もしかしたら、小説内に工場の機械名や専門用語などに英語や、横文字が多く出てきたのが、原因なのかもしれません。
横文字馬鹿な私が悪いのは分かっていますが、そこもちょっとテンションが下がってしまいました。どれが用語で、どれが登場人物名なのかに混乱して、危うく、登場人物の一人を工場のラインに乗せそうになってしまいましたから。
この点については私に非があるので、あまり強くは言いませんが、気になったことは確かなので、一応言っておこうと思います。
しかしながら、これらのことを除けば、特に文句を言うところのない作品です。きっとこの作者は相当頭の良い方なのだと思います。
『工場』という、普段陽のあたらない場所での出来事をここまで分かりやすく、そして面白く書ける作家さんは、世界的に見てもほとんどいないでしょう。
この本を読んでいるというだけで、ちょっと仕事が出来る男になった感じがするのも、とても好印象でした。
ただし、作品として評価できる一方で、当新聞のコンセプト『馬鹿馬鹿しさ』という点では、非常に困る作品だと言えます。
表紙に銀縁メガネをかけてみても、まったく違和感がないくらい、どの描写も生真面目なんです。もうこのカテゴリーの更新も3回目になりますが、こんなにツッコミどころが少ない作品に出会ったのは、初めてです。取り上げたツッコミどころも二つぐらいのものですし。
……けれども、そう考えると、僕はなんでこの作品を選んだんでしょう?
もしかしたら、「私だって少しは真面目な人間であるんだよ」ということを世間にアピールしたかったのかもしれません。
だとしたら私は、取りあえずゴールに向けてシュートを打つことには打ったということになりますね。
完全に『レビューの締めの的』はハズしてしまってい
ますが、どのような場面であれ、シュートで終わることは大事なことだと思います。














