通貨の単位は円からΠ(パイ)の時代へ。

2058年6月4日の衆議院本会議で、『通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律』の改正案が再可決された。
これによって、これまで『円』という単位を使用して流通されていた通貨が、全て『π』という単位に改正されることになる。
通貨価値は1Π=3.1415926535…円。
ただし、無理数の計算による混乱を考慮した結果、超法規的に少数第3位以下を切り捨てて、3.14円→1Πの交換で新通貨への移行が行われる見通しだ。
当初、この件に関しては、一部の財務官僚から「ゆとりをもった金銭感覚を育てる」という趣旨から1Π=およそ3円との案も出ていたが、「お金の問題は、円周率と同じでそう簡単に割り切って良いものじゃない」という財務大臣の鶴の一声により、やむなく廃案となっている。
過去にあったゆとり教育の件で、同様の誤解(円周率を3と教えることにはなっていない)を受けた文部科学省の官僚達の協力も最終的には実らなかった。
従って、このまま強力な代替案が出ない限りは、1Πが通貨の最小単位になるため、3円以下の端数金額は交換が行えず、3円以下の小銭が永遠に手元に残ることになる。
新しい『通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律』の公示は明日6月5日、施行は明後日6月6日の予定。
財務省では、この法改正による経済効果を、「およそ3」と試算しているが、少数第3位以下の問題が完全には解消されていない以上は、ゆとりをもったこの予想が現実のものになるかは、依然として不透明である。
細かな部分ではまだまだ問題は山積み。
大方の専門家は、今回の新通貨移行による混乱は少ないだろうと予想しているが、「100円ショップが中途半端な数字で商売をするお店になってしまう」「円周率を100ケタ暗記した俺の気持ちはどうなる?」といった細かな部分では、一部の専門家から指摘がある。
巨乳アイドル写真集の収集家として知られる谷本純一郎さん(34歳)は、これらの問題点について「突発的に大きな混乱は起きないかもしれないが、独特な名称を理由にし混乱は段階的に大きくなっていくだろう」と分析。
「こんな通貨を使い始めたら、円周を求める公式『2πr(ニーパイアール)』を初めて目にした中学時代のあの興奮が蘇えるのは確実……日本はまたバブル経済に入って、取り返しの付かないような大不況が訪れることになる。そう、例えばブラジャーを付けずに放置した二つのおっぱいのように…」とも付け加えた。
また、国内で駄菓子屋を経営している中村タヅエさん(87歳)も「お昼ごはん食べたっけ?」と、新通貨移行に対する不安を戸惑い気味に述べつつ、「最近物忘れが酷くてね」と現状での問題点をするどく指摘。
「おばあちゃんさっき食べたばかりでしょ?」との義理の娘さんの解答にも、最後まで納得することはなかった。
今後の内閣の対応が大きな鍵。
今回の改正案は、「親父ギャグにもほどがある」的な懸念が沸き起こり、参議院では一時は否決されてしまったが、財務大臣による「でも良く見ると、円とΠは形も似てるよ」「今年7歳になる娘にはウケた」といった発言が国民の多くの支持を集め、今回の再議決に到ったという経緯がある。
民意を反映した形での改正案の再議決を受けて、内閣の支持率は急上昇したものの、この評価を維持できるかどうかは、上記のような問題点に対し、今後内
閣が如何に適切な対応を行っていくのかが大きな鍵になってくるだろう。













